
初見のミュージカルで、たいして期待もしていない演目でしたが、キャストの魅力と、迫力のダンスで、印象に残る演目になりました。
翌々日には閉鎖だというのに、空席も目立った金曜日のマチネ。
千秋楽こそ満席だったものの、前楽のマチネソワレ公演は、まだまだ空席が。
福岡には、やはりミュージカル文化は根付かないのかな。
「ウィキッド」を福岡で見られるようになるのを期待していましたが、夢に終わりました。
残念です。
これからは広島・静岡・仙台のような、常設未満地方以上のポジションに落ち着くのでしょうか。
さて、初めてのコーラスライン。
本日のキャストはこちら。
2月05日(金)
『コーラスライン』 (福岡シティ劇場)
ザック : 深水彰彦
ラリー : 影山 徹
ダン : 朱 涛
マギー : 和田侑子
マイク : 斎藤洋一郎
コニー : 大口朋子
グレッグ : 武藤 寛
キャシー : 坂田加奈子
シーラ : 増本 藍
ボビー : 道口瑞之
ビビ : 上條奈々
ジュディ : 鳥海郁衣
リチー : 西尾健治
アル : 松浦勇治
クリスティン : 染谷早紀
ヴァル : 石倉康子
マーク : 三雲 肇
ポール : 田邊真也
ディアナ : 熊本亜記
フランク : 笹岡征矢
ロイ : 宮本聖也
トム : 林 晃平
ブッチ : 吉田龍之介
ビッキー : 橋本 藍
ロイス : 岩沢英美
トリシア : 勝田理沙
どんなお話なのか全くリサーチなしで観た今回の公演。
ブロードウェイ発の、いかにも「ミュージカル」って言う感じのミュージカルでした。
たぶんミュージカルをよく知らない人たちがイメージするようなミュージカル。
ストーリーもありふれている感じ。
舞台芸術に打ち込む若者たちの、理想と現実のはざまの葛藤を描いています。
「ウェストサイド」といい、この「コーラスライン」といい、ミュージカルの古典と言われる作品は、ストーリーや演出的には、近年の派手なミュージカルと比べるとどうしても物足りなくなってしまう。
なので今回も、役者の演技に重点を置いた観劇。
一番の注目は、ポール役の田邊真也。
今まで観た彼の演目の中で、一番好きでした。
役者と役が、ピッタリはまっている感じで。
彼の切れのあるダンス、かっこよかった!すごく。
でもウェストサイドの時もそうだけど、彼は途中退場してしまうのね・・・。
同じと言えば、マーク役の三雲肇。
「春のめざめ」のモリッツと同じように、この演目でも思春期に「夢精」について悩んでました。
モリッツに見えたよ。
女性部門で印象に残ったのは、ヴァル役の石倉康子さんと、ディアナ役の熊本亜記さん。
石倉さんは、きわどいレオタード姿もさることながら、その声に惹かれました。
歌声よりも、台詞をしゃべっているときの地声が、僕にとってとても心地のいい声だったのです。
彼女の演技を、もっと観ていたいという気になりました。
熊本さんは、黒髪で、着ている衣装も地味だし、背高で派手な髪の色の他のキャストの中にあって地味だなと思っていたのですが、彼女のソロパートで、一気に引き込まれました。
歌がそれほどうまいとは感じていないのに、でもその歌声に引き込まれ、一身に注目を集めてしまう。
これが役者の「華」なの?
最初はまったくアテンションしていなかった役者なのに、自分でも理由がわからない部分で引き込まれてしまう。自分でも驚きました。
ちょうど四季のコーラスラインの公式HPで、「コーラスラインと私」というタイトルで役者の素顔が観られるんですけど、彼女のインタビューも観られました。
やっぱり舞台の上と素顔では印象が違いますね。
余談ですが、そのコーナーで観られるクリスティン役の染谷早紀の素顔がかわいすぎる。
本編で完全ノーマークだったので、後悔~。
「美しすぎる市議」藤川議員によく似ています。
それにしても、四季のパンフの載ってるキャストの写真って、ひどいよね。
素顔はこんなにかわいい人なのに、パンフは別人だよ。
さて、役者オーラ全開の熊本さんに対して、この人びみょー、と思ったのは、キャシー役の坂田加奈子さん。
役の上では昔トップ女優も経験していたという華のある役だったんだけど、彼女のソロパートは、とても華があるとは思えない踊り、歌。
踊りなんかもうヨタヨタとしていて、痛い感じがしました。
入団10年以上のベテラン女優さんらしいのに・・・オーラなし。
もっとも、役の通り、盛りを過ぎた女優の末期を演技で表現しているとしたら、話は別ですが。
この演目、「春のめざめ」の谷口あかりや、マイフェイバリット大女、恒川愛もキャスティングされていたんですね。
彼女たちが好きなので、観たかったなぁ。
思わず買ってしまったパンフレットには、やたら谷口あかりの写真が多かった気がする。
ラストシーン、全員で金色の派手な衣装を着て「ワン」を踊るシーンは、圧巻でした。
すごく迫力があって、それまでのストーリーの退屈さを吹き飛ばしてくれた。
是非是非自由劇場で観たかった演目だなぁと思いました。
最後にひとつ気になったこと。
冒頭でオーディションを落とされてしまうキャスト、文字通り四季でも新人のキャストたちは、上演中いったい何をしているんだろう。
遊んでいるわけではないだろうし、かといってじっとしているわけでもないだろうし・・・。気になる~。
って、観劇直後に記事を予約投稿しておいたら、千秋楽の日に蛤が出てきて、福岡シティ劇場存続の発表が・・・。
閉鎖の発表と、存続の発表のインターバルが短すぎる!
あいかわらず、いやらしいやり方するよな、四季は。
本当に頭に来る。
4月以降クレイジーフォーユーを皮切りに、9月まで4作品上演するらしい。
もちろん、閉鎖発表の前から決まっていたことだろうよ!
ファントム、ウィキッド、レ・ミゼ、ミス・サイゴンなど莫大なバジェットをかけたメガミュージカルが80年代から全盛期を迎え、地味ととられる気持ちも分かりますが、ミュージカルの主要キャストにはなれない、アンサンブルの人たちに脚光を当てた名作ですよね?
私はコーラスラインが上演されると必ず観に行きますョ。
他のミュージカルと違ってダンスの名手がキャスティングされるので、いつも馴染んでいるスターキャストはまず出ません。
でも限りなくノンフィクションに近い内容に心を奪われるんですよ。
キャシー役は歴代、ダンスの名手の中でもピカ一の人がキャスティングされますが、ほとんど歌唱力には難がある人が多いです。
坂田さんもそうですよね?
なかなかダンス、歌、演技と三拍子揃った人って少ないのですよ。
劇団四季では「エクウス」「サウンド・オブ・ミュージック」のチケットを発売日にゲットしました。
サウンドに関しては井上智恵さん、芝さん、坂本理咲さんなど実力派をそろえているので期待大です。
四季のミュージカルはロングランを続けるに従って「宝塚の新人公演?」と思えるほどクオリティが落ちてくるので、初演に行くに限ります。
2010.02.18 03:56 URL | えーちゃん #f2eLklNg [ 編集 ]

えーちゃんさま
お久しぶりです~。
「エクウス」「サウンド・オブ・ミュージック」初日に行かれるのですね。
楽しんできてくださいね。
四季を見るなら、客寄せの豪華キャストがキャスティングされる開演初期というのはわかっているのですが、なかなかスケジュールがあいません・・・。
僕も「サウンド~」は見たいと思っているのですが。
僕は次は、新潟県民での「裸の王様」です
とりあえず新潟に来るから見るか的な面もあるのですが、僕は嗜好が幼いので、ファミリーミュージカルが好きなんです
2010.02.19 18:54 URL | ゆえれん #- [ 編集 ]
